アキカウリスマキ小津安二郎が好きな人のことを好きだった。精神的な病がある人を病院に連れて行く仕事をしていた。無垢な心を持っているのだと思った。歳を重ねても廃れていない心をみつけて、私の中の男性的な部分が、彼の女性的な部分に惹かれた。そういう相手の前では私は立っているだけで恥ずかしくて、すぐに余計なことを喋ってしまう。さながら自分の性的衝動に戸惑う思春期の少年のように。しがらみが解けるベッドの中で、彼は話す。人間は自分の頭脳の数10%しか使っていないらしい。そういう部分を解放したのがSFの世界だと思うと言う。SFは哲学だと思う。思想の広がりと科学的空想について。